就労支援のA型とB型(後編)
就労支援のA型とB型について(後編)
はたらき暮らす.net事務局ブログをご覧いただきありがとうございます!
就労支援のAとBの違いって?
前編の振り返り
みなさんこんにちは!
今日も元気な局員です!
ご質問をいただいていた「就労支援でA型とかB型とありますが、何が違うんですか?」について、前回は私の頭から煙が出てしまって途中で切り上げてしまい申し訳ありませんでした!
前回に解説された内容をもとにポイントを整理しますね!
前回の記事はこちら
前編のポイント
- 就労支援は訓練するための支援制度であること。
- A型は「雇用型」B型は「非雇用型」であること。
- A型は「賃金」が支払われる。B型は「工賃」が支払われること。
- A型は支払われる賃金に見合う「労働」が求められること。
こんな感じだったかと思います!
こちらのポイントをふまえて、さっそく続きを局長!お願いします!
A型とB型の違い(後編)
やぁ局員くん。今日も元気だね。
ではさっそく始めていこうか。
本日のポイント
- B型の「工賃」ってなに?
- 訓練事業って言うけど、具体的に「訓練」ってなに?
- で、結局「A型」と「B型」はどっちがいいの?
本日のポイントはこちらになります。
こちらのポイントに沿って解説していきましょう!
B型の「工賃」ってなに?
B型の場合、最低賃金法の対象外ではありますが、関係法には「利用者ひとり当たりの平均工賃月額を3,000円以上とすること。」と定められています。
平均工賃については2007年(平成19年)あたりから「工賃倍増5か年計画」と称して、国から就労継続支援B型事業を運営する各事業者に対して「利用者へ支給する工賃の額を向上するよう計画的に取り組むこと」と示され、各事業者は各都道府県などに毎年計画の進捗状況を報告することになっているもので、2022年度(令和4年度)までの全国平均工賃額は「17,031円」となっています。
※令和4年度の全国平均工賃額の資料はこちら!(厚生労働省発出資料より抜粋)
ちなみにここ愛知県でも独自に集計していて、2023年度(令和5年度)における愛知県内の平均工賃額は「23,428円」となっています。
※令和5年度の愛知県平均工賃額はこちら!(愛知県ホームページ)
平均値を算出する際の分母数が多くなればなるほど、算出される平均の額は小さくなってしまうので愛知県内を限定として算出された額の方が、全国平均の額よりも高く出ていますね。
それだけ就労継続支援B型事業を運営する事業者数も非常に多いですし、それぞれが支給する工賃額にも大きな幅があるとも言えますね。
運営事業者によっては時間額で支給するところもあれば、月間売上の均等割りで分配支給するところもあって、その支給方法や基準も様々です。
訓練事業って言うけど、具体的に「訓練」ってなに?
障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)において就労支援とは、同法における「訓練等給付費」にもとづく訓練事業として位置付けられているものです。
ちなみに就労支援には継続支援以外にも「就労移行支援」と「就労定着支援」というものもあって、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労定着支援には、次の通りに目的等が定められています。
就労支援事業の主たる目的
- 就労移行支援
就労を希望する障害者であって、一般企業に雇用されることが可能と見込まれる者に対して、一定期間就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います。 - 就労継続支援A型
一般企業に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して、雇用契約の締結等による就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供を行います。 - 就労継続支援B型
一般企業に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供を行います。 - 就労定着支援
就労移行支援等を利用して、一般企業に新たに雇用された障害者に対し、雇用に伴い生じる日常生活又は社会生活を営む上での各般の問題に関する相談、指導及び助言等の必要な支援を行います。
ざっくりまとめると「一般企業等に就職して働くことをひとつの基準として、それぞれの状態等に応じた職業準備訓練等を行うこと。」と「一般企業等での就職が困難な状態にあっても就労継続に必要な就労訓練を行うこと。」そして「一般企業等へ就職したのちの職業生活を安定させること。」を主たる目的として位置付けられているということです。
これはある意味、日本国民に三大義務として日本国憲法に定められている「納税の義務」と「勤労の義務」に沿った形で、障害があってもなくても国民として与えられた義務を果たすための制度であって、それら義務を果たすことを目標にして取り組む訓練でもあると局長は考えています。
就労支援事業者には重大な任務が与えられているとも言えますね。
もちろん、就労継続支援B型に位置付けられている通り、一般企業に雇用されることが困難な場合もあることは十分に考慮された制度となっているので、義務が果たせないことが悪いことではないということは当然のことですし、だからこそ「就労機会の提供」と共に「生産活動への参加」が盛り込まれているのです。
で、結局「A型」と「B型」はどっちがいいの?
それで局長、結局「A型」と「B型」はどっちがどうなんでしょうか?
以前「はたらき暮らす.net事務局です!」と題した記事でも解説しましたが、基本的には「それぞれのはたらき方で、それぞれの暮らしが成立していれば何の問題もない。」わけですから、はたらき方と暮らし方のバランスを図れるのであれば「A型」であろうと「B型」であろうと、どちらが良くてどちらが悪い。なんてことはないですね。
ただし。一般企業等での就労を目標としたときに、目指す自身の状態によって選択が分かれてくると思います。
例えば・・・
- 今すぐ就職するには不安があるし、その必要性も高くない。
- 今さら就職して働きたいとは思わないし、その必要性もない。
- 心や身体の状態が就職して働くには難しい状態だ。
こうした場合は「就労継続支援B型」がおすすめです。
例えば・・・
- これまで訓練を積んできてステップアップしたい。でも一般企業での就職には不安がある。
- 一般企業での就職が難しい状態になった。でもある程度の収入は必要だ。
- 心や身体の状態が一般企業で就職して働くには難しい状態だけど、生活するためにもある程度の収入を得る必要がある。
こうした場合は「就労継続支援A型」がおすすめです。
なるほど。
それぞれの状態や状況によって使い分ける。という感じですね!
その通りだ局員くん。今日は最後まで元気だったね。
それでは本日のまとめにいってみよう!
本日のまとめ
就労支援は訓練事業である。自身や我が子の目的に応じて利用すべき。とは言うものの、実際のところの判断などは難しいのが現実です。
今回解説した就労支援のなかにあった「就労移行支援」については、就労等に対する準備性をより専門的に評価する役割がありますので、そうしたサービスを利用することによって自分自身の状態を知ることも効果的です。
評価の結果にもとづいて利用すべき就労支援を判断することもできますし、将来的な就労生活または職業生活も含めた相談対応をしてくれるところもあるので、そうした専門機関が身近にあるか調べてみてはいかがでしょうか。
局長が運営する事業所では「就労カウンセリング」を通じて状況を把握し、そのうえで取り組み方等の提案をさせていただいています。
ぜひお気軽にお問い合わせください!
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今後ともどうぞよろしくお願いします!
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