就労支援を選ぶとき注意すべきポイント3選!

就労支援を選ぶとき注意すべきポイント3選!
はたらき暮らす.net事務局ブログをご覧いただきありがとうございます!

就労支援を選ぶとき注意すべきポイント3選

みなさんこんにちは!今日も元気な局員です!
本日もみなさんと一緒に学んでいきますのでよろしくお願いします!

さっそくですが局長!今回はこんなお便りが届いています。
‐就労支援に興味があるんですが、何を基準にしてどう選んだらいいのでしょうか?‐

確かに、ラーメン屋さんのように味で選ぶとかでもないですしね。
局長お願いします!

や、やぁ局員くん。今日も元気だね。
了解しました。

本日のポイントは次の通りです。
それでは始めましょう!

本日のポイント

  • 就労支援の成り立ち
  • 就労支援の課題
  • 就労支援を選ぶとき注意すべきポイント3選!

就労支援ってそもそもなに?

就労支援が障害のある方等を対象とした訓練するための支援制度であることは、この事務局ブログの「就労支援のA型とB型(前編)」で解説しました。

※前回の記事はこちら

こちらに補足する形になりますが、現在の支援制度になる前はもともと国が運営する「措置制度」でした。
この措置制度というのは「各地方行政が福祉サービスの利用先や利用内容等を決める」もので、当時は社会福祉法人や特定非営利活動法人等が主にこれを行政から受託するなどして運営していましたが、2003年(平成15年)4月に導入された「支援費制度」に転換されたことによって「サービスを利用する当事者の意思決定にもとづいたサービス利用」へと移行し、2005年(平成17年)11月から公布された「障害者自立支援法」によって利用できるサービスにも大きく変化が生まれることによって、各サービスの専門性がより明確になって現在に至っています。

措置の時代では、障害のある我が子の将来を憂う親御さん達が、地域行政機関の協力を受けながら養護学校(当時)卒業後の活動場所として「作業所」を設立し、障害ある方の「はたらく場」として運営しているところもありましたが、時代の流れとともにそれらが発展して社会福祉法人や特定非営利活動法人へと法人化して地域の障害者(通所)授産施設として運営する形も多くありました。

これらが「措置から契約へ」の流れに伴って新制度に則った日中活動系事業所として「生活介護支援事業所」や「就労支援事業所」に移行していき現在に至るなかで、当時の元作業所等のなかには「就労移行支援事業」に移行する事業者も多かったのですが、その運営の難しさからか、軒並み閉所あるいは「就労継続支援事業」へと事業変更していきましたね。

また「就労継続支援事業」でも「A型」に関しては当時「障害者雇用制度」との絡みもあって、一部では助成金を活用した「手軽に稼げる福祉ビジネス」といったうたい文句で爆発的に事業所数が増え「悪しきA型」といった言葉が生み出されるなど一時期では社会問題にまで発展しました。

障害者自立支援法(現在は障害者総合支援法)が施行されたのち、制度改正等を繰り返し現在ではそういった事業所や商法はあまり見かけなくなりましたが、障害のある当事者をサポートしようと日頃から誠実に取り組んでいた福祉サービス従事者や事業者は、様々な面でいやな想いを受けた時代でもありましたね。

こうした経緯から、措置の時代にあった「障害児・者の居場所」的要素の強かったものが「障害児・者がその能力や適性に応じて自立した生活を営むことを支援する」的趣旨が明確に加わり、そののちに「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するため新たな障害保健福祉施策を講ずる」ことを目的として障害者総合支援法が施行されたという流れとなったわけですが、そうした流れをリアルタイムで約20年間携わってきた立場として感じる課題が実はあります。

措置から契約へ約20年間携わった局長が感じる課題

  • 就労支援サービスの品質
    就労支援については、制度上の目的等はあるとしても実際の支援内容については運営する事業所次第になっているところがあります。
    ある意味、就労支援において「これが正解!」みたいなものはないので、あるところでは作業所時代と変わらず「作業する場」というイメージで留まっていたりします。
    介護業界では、その介護が必要な状態や状況が分かりやすいため、提供する支援等は明確化しやすいところがありますが、就労支援においては「何をすれば正解」というものではないため、支援を提供する事業者側も独自でコンテンツ開発したり、各所で実施される研修やセミナーを参考にしたりしているため、事業所によって提供される就労支援の内容や品質にもバラつきが出やすくなってしまうと感じています。
  • 支援者の社会性
    近年で障害福祉従事者のなかには若い方が増えたと感じていて、これはとても良い傾向だと局長は考えています。しかし一方で就労支援においては「ソーシャルワーク力」が強く求められるものと考えるなかで、本来、多くの社会経験や実績が必要であるところが、実際のところは関係資格や研修を取得あるいは修了すれば従事できてしまうため、支援対象者の状態や状況によっては対応が困難となるケースもある。局長の経験では、社内でまともな挨拶もできない支援スタッフが、利用者に対して「挨拶は大事です」と指導するケースも過去には多くありました。
  • 社会的価値とのズレ
    古くからある「一流企業に就職して、正社員で終身雇用が大正解!」というある種、日本特有の風潮のようなものはまだまだそこかしこにあるなかで、現代社会においては多くの面で多様化を迎え、社会的価値基準も様々となっています。それは「はたらく」ことに対する価値観も例外ではなく、正規雇用よりも非正規雇用を望まれる方も増加傾向にあります。こうした傾向に対する対策としては「誰もがはたらき暮らしやすい共生社会の実現」が挙げられるところですが、就労支援業界内では未だに「退職や離職」に対するネガティブなイメージがあるなど、多様化を迎えた「はたらき方」と「暮らし方」に対する捉え方が追い付いていない現状があると感じています。

ここまでの内容を踏まえ、就労支援を選ぶ際に注意すべきポイントについてご紹介します!

就労支援を選ぶときに注意すべきポイント3選!

  • ものよりもひと
    近年で就労支援事業者数は非常に増えました。そのなかでも民間事業者の参入増によって、ひと昔前よりも見栄えのよい建物や内装、また取り組む内容も魅力的なものも多く利用する側としては「質」の良い時代になりました。
    しかしその一方で、就労支援を提供する「ひと」に関してはその傾向と比例する状態ではなく、良い意味でもそうではない意味でも横ばい傾向で、昨今で多く取り出される通り差別的行為や虐待行為などが横行する一面もあります。
    建物や内装、取り組む作業等内容の見学だけで決めるのではなく、支援スタッフや管理者、経営者の「質」も重視することをお勧めします。
  • 就職がゴールじゃない
    就職することはゴールではなくスタートです。大切なのは「はたらき続けること」なので、就職することを目標とする場合はその準備訓練の内容を重視してください。
    就職することにのみ目が向いている支援は、その後の「職業生活の継続性」が危ぶまれますので、先の見通しも含めたアドバイス等をしてくれるようなところをお勧めします。
  • オプションにつられない
    住宅広告で「駅近!徒歩5分!」とか「Wi-Fi完備!」など、惹かれる言葉を普段からよく目や耳にしますよね。
    先にも触れたように民間事業者の参入後、ひと昔前よりも見栄えのよい事業所が増えました。それに伴って就労支援事業所広告にも「送迎あり!」や「昼食つき!」また「高い工賃支給!」といったような踊る文言を目にすることがあります。
    利用する側にはとっても魅力的な内容だと局長も感じますが、ただそれだけでその利用を決めることには注意が必要であるとも考えます。
    目先のことだけではなく自分自身が、あるいは我が子が、将来どのような「暮らし方」を望むのか。その望みに向けて積み重ねるべき訓練に相応しい第一歩であるかどうか。それらに重きを置いたうえでの判断をお勧めします。

と、こんな感じでしょうか。
すべての物事には経緯や背景がありますので、一概に「これが正解!」ということはお伝えできませんが、何かの参考になれば幸いです。

目的があって利用するわけですから、見栄えだけで捉われるのではなく目的に応じた質の良いサービスを利用すべき。ということですね!

それと、いろいろな経緯があって今の就労支援になっていることもなんとなーくわかりました!

うんそうだね。
結局のところサービスは「担うひとによって違いが出る」とも言えるので、どんなひとが運営しているのか。どんなひとが支援しているのか。そんなところはとても重要です。

そうですね!資格があっても見栄えが良くっても、関わるひと次第ってことですね!

本日は以上となります!お便りくださった方の参考になれば幸いです!

私たちが運営する事業所では「就労カウンセリング」を通じて状況を把握し、そのうえで取り組み方等の提案をさせていただいています。
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